旋盤加工をしてみて

私は去年、上松技術専門校で木工について勉強していました。
その時に旋盤を使ったことはあったのですが、ちょっとしかやってなかったので、四月末に旋盤加工を始めたときは全然上手くできませんでした。ですが、毎日色々なやり方を試したりして練習をしていくうちに上手く自分の考えている形にできるようになってきました。
最近は、大分安定してペンを挽くことができるようになってきたので、今までの事を振り返って旋盤加工をやってみて難しかったことや、どんな風に練習をしてできるようになったのかを書いてみようと思います。

木のペンは卓上旋盤(会長による改造品)での製作で、現在、旋盤の周りには刃物の他、サンドペーパーやオイルやウエス、砥石などの様々な道具が置いていますが、最初は刃物しかありませんでした。なぜなら最初はあらびきしかせず、ペーパーやオイルを使っていなかったからです。
一番最初は刃物を当てる角度や強さなどの感覚を掴むために、加工しやすい欅などの素直な材の荒挽きから始まりました。挽いてて楽しい黒柿

こんな感じで「のた(平らな部分)」がなくなるまで刃物の当て方を色々と試しながら削っていきました。

少しずつ感覚が掴めてきたら仕上がり寸法よりも大きい寸法で作られた定規とぴったりの寸法になるように狙って削れるようになるための練習をしました。
やり始めは削る量を調節するのが難しく、あと少し削れば丁度いいから削ろう!と思って削ると削りすぎて悲しいことに・・・
製品よりは全然余裕があるので大丈夫ではあるのですが、削る量を調整して狙った寸法にできなければ製品を作ることはできないので、この時は一番時間をかけてしっかりできるようになるまで練習しました。
刃を当てる加減や、刃の角度で削れる量が変わってきて、更に木によっても変わってくるのでとても難しいです。同じ樹種でも個体差があるため今でも中々上手くいかない時があって、当てる角度はどのくらいがいいのか少し変えるなどして毎日ペンを挽いています。

練習して狙った寸法に削れるようになってきたら、遂に最後の仕上げに挑戦です!
初めて仕上げまでやった材は私の好きな木の一つ、楓です。旋盤で製品を作る工程を最初から最後まで自分一人でやったのでとても緊張しました。

狙った寸法で綺麗な形に削れるようにあんなに沢山練習をしたのに、綺麗なハリのある弓なりの形に出来ず、少し凹凸のある歪な形になってしまいました。思った通りの形にできず悔しかったですが、その分「次のやつは製品として売っても恥ずかしくない、形を作る!!」と気合が入りました!
その一週間ほど後に最初に作った楓のペンの時の反省点を意識して二本目に桜を削りました。
前回以上に丁寧に、こまめに寸法を確認して作りました。その結果、ずっと練習していたハリのある弓なりの形をしたペンを作ることができました!
今まで練習してきた成果をしっかりと出せて、練習してきたことがちゃんと自分に身についているということを実感できて嬉しかったです。

今は、最初に比べるととても多くの材を挽いていますが、まだ挽くのが苦手な材もあります。削りすぎてダメにしてしまうこともたまにあります。刃物を研ぐのも最初よりは良くなってきましたが、苦手でまだまだ上手く研げず、刃がすぐに切れなくなってしまいます。
私は旋盤での加工を始めてまだ3ヶ月しか経っていないため、毎日「また削った木の肌が荒れちゃった」「また杢に引っ張られて凹凸ができてる」と自分で削ったペンを触って悔しく思いながらいます。
上手くできないことが多いですが、その分まだ勉強できることが沢山あるんだとポジティブに考えて、どんな材でも思い通りの形にできて、その材の木目を生かせるペンを作れるように頑張ります!

コメント

  1. アバター taka より:

    練習を重ねても僅かな差が大きな変化をもたらす程に繊細な作業なんですね。
    いつか製品になったチセさんの努力の塊を店舗に見に行きたいです。
    頑張ってください応援してます!

    • chise chise より:

      少し違うだけで凄い変わってしまうので、難しいです…
      応援ありがとうございます!いつか手に取って貰える日を楽しみに頑張ります!

  2. アバター 松木 翠 より:

    御社の杢目の特徴をとらえた1本1本は本当に魅力的です。
    弓なりのぷっくり具合も、見た目や杢目の表現だけでなく、持つやすさもレベチです。
    貴女の作品に出会えること楽しみに
    その職人魂、期待して応援してます。
    頑張って下さい!

    • chise chise より:

      上下を変えるだけでも木目の見え方も変わってくるので、どっちの方が綺麗かなどを考えながら作っているので嬉しいです!
      もっと魅力的な作品を作れるように頑張ります!

  3. アバター リン より:

    旋盤加工は簡単そうに見えて難しいですよね。
    まだ働き始めで大変と思いますが、少しずつ「出来ること」を増やしていけるよう頑張ってください!

    • chise chise より:

      どんな作業でもそうですけど、旋盤加工は微調整が難しいです…
      色んなことに挑戦して、できることを少しずつ増やせるように頑張ります!

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