弾ける瘤

店頭でも、オンラインストアで限定杢として登場した時も大人気な変わり杢の「特上花梨瘤」。
茶色みがかった赤色や黒色に近い赤色が美しく、細かい瘤模様が特徴的な材木です。

花梨瘤はマメ科の広葉樹で東南アジアや太平洋諸国に生息しています。
日本で花梨と言えばのど飴などに使われるバラ科の花梨を思い浮かべると思いますが、材木の花梨はマメ科なので紫檀やローズウッドの仲間になります。

とても美しく、人気の材なのですが通常の花梨よりも硬さがあって加工が難しい上に、材料が希少なので店頭以外ではあまり出てこないのですが、花梨瘤の中でも更に出てこないものがあります。
それが[源平(紅白)]です。

(特上花梨瘤と特上花梨瘤源平)

源平(紅白)とは木の中心部分の赤身(心材)とその周りの白太(辺材)が混ざり合ったものの事を指します。何故源平と呼ばれるかは、源氏が白旗、平家が赤旗を掲げて戦ったことに由来しているそうです。
材木は赤身の方が硬く、腐りにくいため基本的には辺材を切り落として使われます。
(わざと辺材や耳を残してテーブル天板を作ることもあります。)

花梨瘤は赤身と白太の色の境界線がハッキリとしているので源平の人気なのですが、赤身の硬さと白太の硬さの違いが大きいので加工がしづらいです。

また花梨瘤は干割れや入り皮、弾けてしまったりするので補修が多くなってしまいます。
上の写真のものは白太の部分が弾けてしまって、真鍮のパイプが見えるまでになってしまいました・・・

裏面も入り皮などが多く、補修だらけに・・・

補修だらけ、補修剤だらけでボコボコの花梨瘤を削って、ペーパーで磨くことでこんなに綺麗に!
艶が出て、瘤模様も分かりやすくなりました♪
慎重に削り、手間をかけて補修した特上花梨瘤の源平がペンになったものが1番最初の写真の源平のペンになります!

源平でなくとも加工の大変な花梨瘤ですが、手間をかけた分だけ綺麗になるので作っていて楽しいです。
どんな樹種でもそうですが、使っていけばいくほど更に艶が出て綺麗になりますので、是非沢山使って欲しいです。

コメント

  1. アバター 唐変木 より:

    1本のペンを作るのにここまで手間が掛かるということと、一見グロテスク(失礼!)な補修後の軸が、磨くことでここまで美しくなることに驚きです。
    我が家の花梨瘤改めてじっくり眺めてみます。

    • chise chise より:

      瘤は特に手間がかかりますが、その分綺麗になるのでやりがいがあります!
      是非眺めて補修されている部分あるか探してみて下さい。

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