桜に出る謎の模様とは

先日、名刺が必要かもしれない!という用事があり、社長が名刺と一緒に名刺入れを用意してくださいました。
名刺入れは私の好きな材の1つである桜を選ばせていただきました。
その名刺入れの材を選ぶときに色々と見ていて気付いたのですが、他の材ではあまり見ないような黒い線状の模様が多く入っていることに気付きました。


社長が用意してくださった名刺と名刺入れ。所々木目ではない黒い模様が入っている。

この黒い模様がどんなものなのか、何故できるのか調べてみたので今回は調べた内容を紹介しようと思います!

まず、桜とはどんな材なのでしょうか?
桜と言われて一番最初にソメイヨシノが思いつく人が多いと思いますが、木材として桜と言えば山桜が一般的に使われることが多いです。
山桜は程よい硬さと粘り気があり加工もしやすく、割れにくい材です。家具にも使われるのですが、彫ったところの縁が欠けにくいため、和菓子の菓子型や浮世絵の版木によく使われていたそうです。
あまりはっきりと年輪は現れませんが、肌目は滑らかで色は薄いピンクや黄色がかっていて優しく上品な雰囲気があります。

そんな美しい山桜の淡いピンクの肌の中に潜む謎の黒い模様の正体は・・・

ガムポケットとピスフレックです!
ガムポケット(樹脂痕)とは、樹脂が細胞の隙間に入り込んで溜まり、それにより点や筋状に変色したもので、ピスフレック(髄斑)とは、虫によって形成層が傷つけられ、その傷跡が濃色の斑点として散在しているものの事です。
ちなみに、上の名刺入れの黒い模様はガムポケットです。
ガムポケットは桜の仲間の中でもアメリカンブラックチェリーによく見られます。
こういう風に言われると良くないものなのでは、と思う方がいると思いますが、テーブルの天板など大きなものを作る時にこの2つを完璧に避けることは難しく、どうしても入ってしまいます。
ですが、入ってもそこから樹脂が出てきてベタベタしたり割れが入ったりすることはありませんので安心してください!
黒い模様については悪いものでは無いと知ってはいましたが、なぜできるのかやどんな名前か知らなかったので知ることができて、自分の好きな材についてまた1つ詳しくなれて良かったです。
これからはガムポケットの入った材も今まで以上に大切に使っていこうと思います!

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