黒柿の仕上げの違い

工場で木軸を制作する際、最後にオイルを塗って仕上げています。
基本的にはどんな樹種でもオイルを塗るのですが、例外として黒柿は墨模様の出方によってオイルを塗らず[白木地仕上げ]にする事があります。
塗装した方が良いのに、何故塗らないか皆さんは知っていますか?

1番の理由は模様がハッキリ見えるようにするためです。
木は水を付けたり、オイルを塗ると[濡れ色]と言って色が濃くなります。
色が濃くなり、綺麗になるのですが黒柿の場合は塗ることによって模様がぼやけてしまうことがあるのです。

(水に塗れた黒柿。乾いた状態に比べて白い部分と黒い模様の境目が曖昧)

上の写真のような黒柿であれば磨いてからオイルを塗るととても綺麗に仕上がるのですが、全体に薄く墨を流したような模様の場合はもっとぼやけてしまうため塗りません。
特上黒柿や、孔雀杢は模様が細かいものや、白檀や香木パロサントのような香りの強いものは白木地仕上げにすることが多いです。

木を守る為にはオイルを塗った方がもちろん良いのですが、木の1番綺麗な状態をお客様に見ていただきたいという思いからあえて白木地仕上げを選びます。

もし白木地仕上げのペンをお持ちのお客様がいらっしゃいましたら、ペンに同梱されている[白木地仕上げの製品について]という紙をよくお読みになってお手入れをしてあげてください。
お手入れをしながら使えば使うほど木は良い味が、お客様だけの味が出てきます。

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